明治安田生命健康保険組合「すこやか健保 2017/秋 Vol.32」
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11すこやか健保2017/秋 vol.32□寒い季節は食中毒の心配がないので、生魚をよく食べる。□生魚は酢でしめたり、わさびを使ったりすれば、食中毒のリスクはなくなると思う。□鮮度の高い魚介類なら、食中毒の心配はないと思う。あなたは大丈夫?Checkアニサキスによる食中毒に気をつけて アニサキスは魚介類に寄生する寄生虫の一種です。アニサキスが寄生した魚介類を生で食べた人の胃壁や腸壁にアニサキスが侵入することで食中毒を引き起こします。 アニサキスは秋以降に出回る魚介類にも多く寄生しているほか、アニサキスによる食中毒は寒期(12~3月)に多いので、魚介類を生食するときは十分注意しましょう。 国立感染症研究所の推計では、年間7,147件(2005年~2011年の平均)のアニサキスによる食中毒が発生しているとされています。とくに注意が必要な魚介類症状は激しいみぞおちの痛みや嘔吐アニサキスの正しい予防法 サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生します。最も多い感染源はサバ(しめ鯖を含む)といわれています。魚介類の内臓に寄生していますが、鮮度が落ちてくると内臓から筋肉に移動します。 激しいみぞおちの痛みや腹痛、嘔おう吐となどがあり、アニサキスによる食中毒が疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。医療機関では魚介類を生食し、アニサキスによる食中毒の疑いがあることを伝えます。 また、魚介類を食べた後にじんましんなどのアレルギー反応が出たことのある人は、アニサキスアレルギーにも注意が必要です。アナフィラキシーショックを引き起こす重症例も報告されています。アニサキスアレルギーの有無は血液検査で調べることができます。 アニサキスによる食中毒を予防するには、以下の点に注意しましょう。なお、一般的な料理で使う食酢での処理、塩漬け、しょうゆやわさびはアニサキスの駆除にはなりません。⇨魚を購入する際は鮮度の高いものを選び、低温(4℃以下)で保存する⇨魚を丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除き、よく洗う⇨内臓を生で食べない⇨調理時と食べるときに目視でよく確認してアニサキスがいれば除去する⇨なめろう等をつくる際は細かく刻む⇨加熱する(60℃で1分、70℃以上で瞬時に死滅する)⇨冷凍処理する(-20℃で24時間以上)急性胃アニサキス症食後数時間~10数時間後に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を生じる急性腸アニサキス症食後10数時間~数日後に、激しい下腹部痛などの腹膜炎症状を生じるこんなことが当てはまったら注意!新鮮な魚を買い、内臓をキレイに取り除きます。長さ2~3cm程度で、白い糸のように見えるのが特徴です。報告件数は10年で 厚生労働省の調査によると、アニサキスによる食中毒の報告件数は、2006年は5件だったのに対し、2016年には124件に上り、20倍以上に急増しています※。 この背景には、2013年以降に厚労省の食中毒統計の項目にアニサキスが加わり、実態調査が進んだことに加え、流通の発達により、さまざまな魚介類を生で食べる機会が増えていることなどがあります。20倍以上に※報告件数のため、実際の発生件数とは異なります。季節の健康

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